ステンレスとヒノキ/形状と表情。

わたしたちが出会う工場には、
特殊な機械が見当たりません。
昔ながらの汎用機を巧く使いこなしながら、
モノが生まれています。本シリーズでも、
そんなつくり手の技巧を発揮してもらいました。
固いステンレスを自在に曲げ切りする技と、
ヒノキの素地を活かす技がかけ合わさることで、
「アルミと木」とは、異なる表情をした
道具ができあがりました。

技が生まれる理由。

ステンレスという素材でも棒状のものを加工するのか、板金を加工するのかで
技術は違ってきます。
わたしたちが出会った作り手はひとつひとつを手でつくりながら、特殊な形状を生み出しています。
つくる数が、たとえ1点でも、おもしろいアイデアをカタチにするため、
その技術を惜しみなく発揮してくれます。

多くの技は、そんな向上心が育んだもの。
こういった工場との出会いがなかったら、このあとモビールブランドtempoは生まれていなかったと思います。

 

ヒノキの呼吸。

伊勢神宮式年遷宮のご神木の里、
岐阜県付知町や長野県南木曾町は、木工の地として有名です。
とくにヒノキを素地のまま加工するのが得意なつくり手が集まります。
うわ薬を塗らないことで、道具になってもヒノキが呼吸してくれるので、
心がやすらぐ香りを漂わせます。
ヒノキの香りや手ざわりが、
ステンレスのチャーミングなカタチを、
引き立たせてくれました。

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